「品確法」の法律改正について

 昨今建設業界への投資は急激に減少し、また競争の激化により業界を取り巻く環境は悪化してきました。国土交通省は建設業界の人手不足について、技能労働者の高齢化による引退後の若年層労働者の就労減や建設業産業の処遇改善の遅延等をあげています。

 

  このような状況を背景に、中長期的には建設工事の担い手不足により、公共工事の維持管理・更新に伴う工事の適正な施工が出来なくなるなどの深刻な問題が予見されています。

 

 この事態を回避するために国は”現在及び将来にわたる建設工事の適正な施工及び品質の確保とその担い手の確保を目的”として、平成26年6月より法改正を行ってきました。「公共工事の品質確保の促進に関する法律」で「品確法」と呼ばれています。


主な改正内容や目的

〇将来に渡る担い手の中長期的育成と確保
経営事項審査の審査項目でその他社会性評点(W点)において
技術職員名簿記載で35歳未満の人数が全体の15パーセント以上で1点加点や
対象事業年度において新たに名簿記載された35歳未満の人数が全体の1パーセント以上で1点加点。また、労働環境改善の為社会保険加入を促していて、未加入の場合経審において大幅な減点(健康保険と厚生年金保険加入が別々に評価され未加入はそれぞれ40点の減点)等が審査対象になりました。

 

〇多様な入札及び契約の方法
発注に関わる公共工事の性格、地域の実情に応じたような方法から適切な方法を選択。また競争に参加する者に対して技術提案を求めるよう発注者側に求めています。

 

〇完成後の適切な点検・診断・維持・修繕・その他の維持管理による品質の確保
インフラの老朽化が社会問題になっていることも踏まえて、維持管理が公共工事の品質確保に重要な役割をもっている為、適切な管理が品質確保につながるとしています。

 

〇公共工事の品質確保に地域の実情を踏まえた維持管理の担い手の育成・確保への配慮
地域における災害時の対応を含む社会資本の維持管理を確保します。

 

〇不正行為の排除(ダンピング等)
その請負代金の額によっては公共工事の適正な施工が通常見込まれない契約の締結防止を明記しました。

 

〇適正な額での請負契約の締結(下請け契約含む)
技術者や技能労働者など公共工事従事者の賃金、安全衛生など労働環境の改善を求め、現状は社会保険費を含まない代金で請け負っていることが多いのにも配慮しています。

 


 今後は公共工事の品質確保の為に、入札について多種多様にまた複雑な審査が行われていく事が予想されます。その為にも経審について対策を考えてみてはいかがでしょうか。

 

横浜市、神奈川県で経営事項審査(経審)をお考えの方はかもめ行政書士法人にお任せください。御社の状況に合わせて個別アドバイスを行っています。平日夜19時まで、日・祝日も対応し、相談は無料で行っていますのでお気軽にご相談ください。