公共工事への入札制度は、大きく分けると、経営事項審査、建設業許可と決算変更届、入札参加資格申請の3つの要素から説明する事が出来ます。
①経営事項審査
そもそも経営事項審査とは、公共工事入札希望の建設業者が、その審査の基準日の時点での経営状況や規模を数値で評点され、客観的な評価付けを受けるというもので、「経審」と呼ばれます。
審査基準日は通常だと決算日になり、「総合評定値通知書」を最終的に受けることとなり、その内容によって入札できる公共工事の発注予定価格の幅が決まります。
税金を財源とする公共工事は、特に慎重な業者選定がされる必要があること、工事額に見合った業者であるのか、また充分な施工能力があるのか、工事途中に倒産してしまうような経営状況の業者でないかなどが、この経審を受けなければならない理由として挙げられます。
経審では、決算書に基づく経営状況評点を受ける「経営状況分析申請」、完成工事高などに基づく経営規模・技術力判断を受ける「経営規模等評価申請」から成り立っています。
②建設業許可と決算変更届
①の経審を受けるには、請負金額500万円以下の工事でも必ず建設業許可が必要で、建設業許可業者は毎年決算日から4か月以内に決算変更届を提出しなければなりません。
決算変更届は、財務諸表や工事経歴書などから成り立ち、行政庁はそれにより業者の営業状況を把握しています。経審で必要になるこの決算変更届は、提出を怠ったり、内容に不備があったりすると経審を受ける事すらできないので非常に重要な要素であり、まずはここからしっかりと準備を整えておく必要があります。
③入札参加資格
経審を受けた後、総合評定値通知書が届きます。しかし、通知書を獲得すれば自動的に官公庁から工事の依頼が来るわけではなく、公共工事への「入札参加資格申請」を行わなければなりません。その受付は、一般的には12~3月の間で行われることが多いですが、11月や5月に行うところもありますので、申請先の受付期間は事前に確認する必要があります。
総合評定値通知書を客観的な基準とし、それに加える形で官公庁が独自の主観的な基準を入れ、業者のランク付けをします。
このランクにより、官公庁が公共工事を依頼する業者を選んで指名する流れとなります。
このように、公共工事の入札参加はいくつもの要素から複合的に成り立っており、そのどれか一つが欠けても受理されません。非常に複雑な許可申請の一つとも言え、専門家へ相談して進めることが、スムーズに手続きを行うポイントとなります。
横浜市、神奈川県で経営事項審査(経審)をお考えの方は、かもめ行政書士法人にお任せ下さい。御社の状況に合わせて個別アドバイスを行っています。平日夜19時まで、日祝日も対応し、相談は無料で行っていますので、お気軽にご相談下さい。