引き続き神奈川県における経営事項審査(経審)の計算方法について解説していきます。
今回は2回目になります。
●経営状況評点(Y)
Y点の位置づけ
横浜市を始めとした神奈川県の経営事項審査(経審)の計算式も、
総合評点P=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15W となっています。
それではY点について解説いたします。
Y点では、経営状況について審査されますが、具体的には「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の財務数値から算出します。
この経営状況分析は、国土交通大臣の登録を受けた、登録経営状況分析機関が行います。弊事務所においても登録経営状況分析機関を活用し、2日程度の日数にて結果通知を入手しています。まずお客様の過去3年分の財務諸表の数値を弊事務所にて入力を行います。
経営状況評点Y=167.3×A+583 (小数点第1位は四捨五入) |
Aは次の計算式から算出されます。
経理状況点数A =-0.4650×X1-0.0508×X2+0.0264×X3+0.0277×X4 +0.0011×X5+0.0089×X6+0.0818×X7+0.0172×X8+0.1906 (小数点第3位四捨五入) |
X1~X8は以下の算出テーブルから算出します。
記号 | 経営状況分析の指標 | 算出式 | 上限値 |
---|---|---|---|
下限値 | |||
負債抵抗力 | |||
X1 | 純支払い利率比率 | (支払利息-受取利息配当金)/売上高×100 | -0.3% |
5.1% | |||
X2 | 負債回転期間 | (流動負債+固定負債)/(売上高÷12) | 0.9ヶ月 |
18.0ヶ月 | |||
※計算結果が低い程、高評価になります。 (X1では「-0.3」、x2では「0.9」を上限としています。) |
|||
収益性・効率性 | |||
X3 | 総資本売上総利益率 | 売上総利益/総資本(2期平均)×100 | 63.6% |
6.5% | |||
※個人の場合、売上総利益=完成工事総利益 ※総資本=負債純資産合計 ※総資本(2期平均)=3,000万円に満たない場合は、3,000万円とみなす |
|||
X4 | 売上高経常利益率 | 経常利益/売上高×100 | 5.1% |
-8.5% | |||
※個人の場合経常利益=事業主利益 | |||
財務健全性 | |||
X5 | 自己資本対固定資産比率 | 自己資本/固定資産×100 | 350.0% |
-76.5% | |||
X6 | 自己資本比率 | 自己資本/総資本×100 | 68.5% |
-68.6% | |||
絶対的力量 | |||
X7 | 営業キャッシュフロー | 営業キャッシュフロー/1億(2期平均) | 15.0億円 |
-10.0億円 | |||
※営業キャッシュフロー = 経常利益+減価償却実施額-法人税住民税及び事業税±引当金増減額±売掛債権増減額 ±仕入負債増減額±棚卸資産増減額±受入金増減額 ※引当金=貸倒引当金 (増の場合は加算、減の場合は減算) ※売掛債権=受取手形+完成工事未収入金 (増の場合は減算、減の場合は加算) ※仕入債務=支払手形+工事未払金 (増の場合は加算、減の場合は減算) ※棚卸資産=未完工事受入金 (増の場合は減算、減の場合は加算) ※受入金=未完工事受入金 (増の場合は加算、減の場合は減算) ※増減額:(基準決算の額)-(基準決算の直前の審査基準日の額) |
|||
X8 | 利益余剰金 | 利益余剰金/1億 | 100.0億円 |
-3.0億円 | |||
※利益余剰金=利益余剰金合計 ※個人の場合、利益余剰金=純資産合計 |
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X1~X8の計算結果については、小数点第4位四捨五入 ) |
上記の計算過程を経て、登録経営状況分析機関より審査結果を受け取ります。この審査結果の書類は、経営事項審査(経審)時に他の書類とともに申請致します。
横浜市、神奈川県で経営事項審査(経審)をお考えの方は、かもめ行政書士法人にお任せ下さい。御社の状況に合わせて個別アドバイスを行っています。平日夜19時まで、日祝日も対応し、相談は無料で行っていますので、お気軽にご相談下さい。