はじめに
経営状況分析とは、企業の財務状況を一定の基準により点数化し評価したものになります。
経営事項審査の前に「登録経営状況分析機関」に申請を行う必要があります。
経営状況分析機関により算出された経営状況点数を基に、Y点という形で点数が算出されます。
Y点に0.2をかけたものが、総合評定値P点の計算に使われます。
今回は、Y点対策について書きます。
Y点の算出式
Y=経営状況分析の結果に係る数値〔最高点:1,595点・最低点:0点〕
Y=167.3×A+583(Aは経営状況点数)
経審・総合評定値:P=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15W
要素①<負債抵抗力> | 指標 | 優先順位・占有率 | |
指標①純支払利息比率 | 売上高に対する純支払利息の割合を見る比率 | 低いほど良い | 優先順位①・29.9% |
指標②負債回転期間 | 負債が月商の感カ月分に相当するかを見る比率 | 低いほど良い |
優先順位④・11.4% |
要素②<収益性・効率性> | 指標 | 優先順位・占有率 | |
指標③総資本売上総利益率 |
資本に対する売上総利益の割合(効率性) |
高いほど良い | 優先順位②・21.4% |
指標④売上高経常利益率 | 売上高に対する経常利益の割合(収益性) | 高いほど良い | 優先順位⑥・5.7% |
要素③<収益性・効率性> | 指標 | 優先順位・占有率 | |
指標⑤自己資本対固定資産比率 |
固定資産がどの程度自己資本で調達されているかを見る比率 (自己資本/固定資産)×100 |
高いほど良い | 優先順位⑤・6.8% |
指標⑥自己資本比率 | 総資本に対して自己資本が占める割合 | 高いほど良い | 優先順位③・14.6% |
要素④<絶対的力量> | 指標 | 優先順位・占有率 | |
指標⑦自己資本比率 | 企業の営業活動により生じた現金の増減を見る比率(2期平均) | 高いほど良い | 優先順位⑦・5.7% |
指標⑧自己資本比率 | 企業の営業活動により蓄積された利益のストックを見る指標 | 高いほど良い | 優先順位⑧・4.4% |
経審Y点アップ対策
上記のY点構成要素や比率を踏まえて、経審Y点アップの方法について書きます。
1.「支払利息」を極力減らす。
純支払利息比率は、29.9%も占めているため、対策が必要になります。
純支払利息は、「支払利息-受取利息」で計算されます。
支払利息を少なくするために、借入の金額を必要最小限に留めることも一つの方法です。
また、支払利息を少なくすることで、経常利益を上げる効果もございます。
2.売上高のみならず、「売上総利益」も極力上げる。
総資本売上総利益率は、21.4%占めているため、売上高だけでなく、売上原価を引いた「売上総利益」も上げる必要がございます。
3.増資をする。
自己資本を増加される方法の一つに「増資」があります。
社長からの借入金がある場合、これを資本金へ振り替えることで、Y点も上がります。
増資を行うことで、自己資本対固定資産比率、自己資本比率も上がります。
横浜市、神奈川県で経営事項審査(経審)をお考えの方は、かもめ行政書士法人にお任せ下さい。御社の状況に合わせて個別アドバイスを行っています。平日夜19時まで、日祝日も対応し、相談は無料で行っていますので、お気軽にご相談下さい。