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経営事項審査(経審)計算(4)

●社会性等評点(W)について

 

経営事項審査(経審)の計算方法

まず全体像を把握するためにも、経営事項審査(経審)の計算式を記載します。

総合評点P=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15W

となっています。

「経営事項審査」とは、建設業において公共工事の入札に参加する建設業者の企業規模・経営状況などの客観的事項を数値化したものです。そのため複雑な計算式になりますが、今回はW点(社会的貢献度)について書きます。

W点は社会的貢献度に関する評点(W1~W9)を求めてから算出します。

※平成27年4月経審改正で次の項目が評価項目に追加されました。

・W7建設機械の保有状況の点数のうち、モーターグレーダー、大型ダンプ車、移動式クレーン

・W9若年技術者の育成及び確保の状況点数

社会性等評点W=(W1+W2+W3+W4+W5+W6+W7+W8+W9)

×10×190/200

(計算結果において、評点がo点に満たない場合は0点とみなす)

W1)労働福祉の状況

W2)建設業の営業継続の状況

W3)防災協定締結の有無

W4)法令遵守の状況

W5)建設業の経理状況

W6)研究開発の状況

W7)建設機械の所有及びリース台数

W8)国際標準化機構が定めた規格による登録の状況

W9)若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況

 

 詳しい点数の算出については、こちらです。

●W1 労働福祉の状況

以下の表より、W1を算出します。

 1   建設業退職金共済制度への加入

Y1 (1~3の中で該当する項目の数)

W1=Y1×15-Y2×40

 2  退職一時金若しくは企業年金制度の導入
 3  法定外労働災害補償制度への加入
 4  雇用保険未加入(適用除外を除く)

Y2(4~6の中で該当する項目の数)

 5  健康保険(適用除外を除く)
 6  厚生年金保険未加入(適用除外を除く)

 

●W2 建設業の営業継続の状況

建設業の営業継続の状況(W2)は建設業の営業継続の状況(W21)と民事再生法又は会社更生法適用の有無(W22)より、以下の計算式で求めます。

 W2=W21+W22

建設業の営業年数(W21

 営業年数  点数  営業年数   点数 営業年数 点数   営業年数 点数  営業年数  点数  営業年数 点数
 35年以上  60  29年  48  23年  36  17年  24  11年  12 5年以下 0
 34年  58  28年  46  22年  34  16年  22  10年  10    
 33年  56  27年  44  21年  32  15年  20  9年  8    
 32年  54  26年  42  20年  30  14年  18  8年  6    
 31年  52  25年  40  19年  28  13年  16  7年  4    
 30年  50  24年  38  18年  26  12年  14  6年  2    

※平成23年4月1日以降、民事再生手続又は更生手続開始の決定を受け、かつ、再生手続又は更生手続終結の決定を受けた建設業者は、終結決定をうけてか営業年数。

民事再生法又は会社更生法適用の有無(W22

 民事再生法又は会社更生法の適用の有無 点数 
 有  -60
 無  0

 ※平成23年4月1日以降の申立てに係る再生又は更生手続の決定を受け、かつ、手続終結の決定を受けていない場合「有」。

 

・W3 防災協定締結の有無

国や地方公共団体との間で防災活動に関する協定について、「直接締結」または「加入している社団法人等が締結」していれば、評価対象です。

防災協定締結の有無  点数
 有  15
 無  0

 

・W4 法令遵守の状況

審査対象事業年度に、建設業法第28条の規定に基づき指示や営業停止等の処分を受けた場合は、表のとおり減点対象となります。

 法令遵守の状況 点数
0
指示をされた場合 -15
営業の全部若しくは一部の停止を命ぜられた場合 -30

 

・W5 建設業の経理の状況

監査の受審状況と、公認会計士等数をいかの表より算出して、加算します。

 W5=W51+W52

 ・監査の受審状況(W51

 監査の受審状況 点数
 会計監査人の設置 20 
会計参与の設置 10
経理処理の適正を確認した旨の書類の提出 2
0

・公認会計士 等数(W52

公認会計士、会計士補、税理士、1級建設業経理士等の数×1+2級建設業経理士の数×0.4

上記で算出された数値を以下の表に照らし合わせて、W52を求める。

  年間平均完成工事高       公認会計士、会計士補、税理士、建設業経理士等の数の数値(W52)
  600億円以上   13.6以上   10.8以上  7.2以上  5.2以上 2.8以上  2.8未満  
 13.6未満  10.8未満  7.2未満  5.2未満

150億円以上 600億円未満

 8.8以上  6.8以上   4.8以上  2.8以上 1.6以上   1.6未満 
 8.8未満  6.8未満  4.8未満  2.8未満

 40億円以上 150億円未満 

 4.4以上   3.2以上  2.4以上 1.2以上   0.8以上   0.8未満
 4.4未満  3.2未満  1.6未満  1.2未満

 10億円以上 40億円未満

 2.4以上  1.6以上   1.2以上 0.8以上  0.4以上 o.4未満  
 2.4未満  1.6未満  1.2.未満  0.8未満
   1億円以上 10億円未満  1.2以上   0.8以上  0.4以上    ―    
 1.2未満  0.8未満 
      1億円未満   0.4以上  - o
 点数  10  8  6  2

 

・W6 研究開発の状況

平均研究開発費の額より下の表からW6を求める。

 平均研究開発費の額  点数  平均研究開発費の額 点数 平均研究開発費の額 点数
 100億円以上  25   15億円以上 16億円未満  16   6億円以上 7億円未満  7
 75億円以上 100億円未満  24   14億円以上 15億円未満  15   5億円以上 6億円未満  6
 50億円以上 75億円未満  23   13億円以上 14億円未満  14  4億円以上 5億円未満  5
 30億円以上 50億円未満  22   12億円以上 13億円未満  13   3億円以上 4億円未満  4
 20億円以上 30億円未満  21   11億円以上 12億円未満  12  2億円以上 3億円未満  3
 19億円以上 20億円未満  20   10億円以上 11億円未満  11   1億円以上 2億円未満  2
 18億円以上 19億円未満  19   9億円以上 10億円未満  10  5000万円以上 1億円未満  1
 17億円以上 18億円未満  18   8億円以上 9億円未満  9       5000万円未満  0
 16億円以上 17億円未満  17   7億円以上 8億円未満  8    

 

・W7 建設機械の所有及びリース台数

建設機械の保有台数より下の表からW7を求める。

 保有・リース台数 点数 保有・リース台数 点数

保有・リース台数

台数
15台以上   15 9台  3台   3
 14台  14  8台  8  2台  2
 13台  13  7台  7  1台
 12台  12  6台  保有・リースなし  0
 11台 11   5台    
10台   10  4台    

※いずれも所定の定期検査を受けている機械で以下の要件を満たすもの。

建設機械抵当法二条に規定する「建設機械」のうち、ショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベル、モーターグレーダー、大型ダンプ車、移動式クレーンです。

1) ショベル系掘削機

・ショベル、バックホウ、ドラグライン、クラムシェル、クレーン又はパイルドライバーのアタッチメントを有するもの

2)ブルドーザー

・自重が3t以上のもの

3)トラクターショベル

・バケット容量が0.4立方メートル以上のもの

4)モーターグレーダー

・自重5t以上

5)ダンプトラック

 ・土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する、特別措置法第二条第二項に規定する大型自動車のうち下記を満たすもの。

・車両総重量8t以上または最大積載量5t以上

  ・経営する事業の種類として建設業を届け出ていること

  ・表示番号の指定をうけていること

6)移動式クレーン

・労働安全衛生法施行令第十二条第一項第四項に規定する、つり上げ荷重3トン以上のもの

建設機械を自ら所有している場合、又は、審査基準日から1年7ヶ月以上の使用期間が定められているリース契約を締結している場合に評価対象になります。

 

W8 国際標準化機構が定めた規格による登録の状況

 ISO規格登録の状況  点数
 ISO9001とISO14001の両方登録  10
 ISO9001のみ登録  5
 ISO14001のみ登録  5
 無  0

※登録範囲に建設業が含まれていない場合及び認証範囲が一部の支店等に限られている場合は対象外。

 

・W9 若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況

W9=W91+W92

若年技術職員の継続的な育成及び確保の状況(W91

 若年技術者の人数  点数
技術職員名簿人数の15%以上  1
技術職員名簿人数の15%未満  0

※若年技術者:審査基準日時点での満年齢が35歳未満の技術者。

新規若年技術職員の育成及び確保の状況(W92

 前回審査時の技術職員名簿人数から増加した若年技術者の人数  点数
技術職員名簿人数の1%以上  1
技術職員名簿人数の1%未満  0

※若年技術者:審査基準日時点での満年齢が35歳未満の技術者。

 

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